歯科衛生士学科
大学歯学部や各医院、病院にて活躍中の先生方から学べます

摂食嚥下障害を学べる

摂食嚥下障害という言葉をご存知でしょうか。

わたしたちは毎日食物を食べています。食事を摂ることは考え事や身体を動かすことのエネルギー源となり、また成長と健康の維持に関わり、さらに家族や友人と一緒に過ごす楽しい時間にもなります。「食べる」ことを少し細かくみてみますと、まず目で見たり、鼻で嗅いだりしてから口に摂り込むところから始まります。次に歯で咀嚼し、ゴクンと飲み込んでから胃まで送り込まれます。

健康な人のほとんどは、この一連の動作を意識せずに行えますが、高齢者や有病者の中には、様々な要因でこの一連の動作の一部もしくは全部がスムーズに行えず「食事がうまくできない」と訴える方がいます。このように食べる機能全体を考えたときの障害を摂食嚥下障害といいます。

例えば歯が抜けてしまって上手く噛めない場合、「食事がうまくできない」でしょう。そこで、われわれはぴたりと合う入れ歯を作製し、噛む機能を回復することを目指します。入れ歯によって上手く噛むことができるようになれば食事がうまく摂れるようになるはずです。では、仮に同じように歯が抜けてしまって上手く噛めない、ということに加えて脳の病気で舌を上手く動かすことができない患者がいたとしたらどうでしょうか。同様にぴたりと合う入れ歯を作製することのみでは上手く食べられないのではないか、ということが想像できると思います。では、どうするか?ということを学ぶのが「摂食嚥下」の分野です。

摂食嚥下障害者は、病院に入院している場合や歯科医院に通院する場合だけでなく、在宅、介護施設などわたしたちと同じ地域で生活されている場合も多いです。このことは、当該分野を学びスペシャリストとなった皆さんの先輩歯科衛生士が、医療、福祉、介護などの幅広い現場で活動し、その活躍する場が急速に拡大していることを反映しているといえます。摂食嚥下障害とその対応を学ぶことは、歯科衛生士が患者個人への対応にとどまらず、幅広い地域社会において、口腔機能や摂食嚥下機能の保持増進を達成することに貢献するものと考えます。

藤田保健衛生大学医学部歯科
歯学博士 松尾 浩一郎 教授